俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
「こんにちは。堀井と申します。」
お店に着いて挨拶をすると直ぐに2階に通される。
ソファのあるフィッティングルームはどう見てもVIPルームで、場違いな気がしてソワソワする。

少し待っていると、

「お待たせしました。」
と、女性⁉︎男性⁉︎ぱっと見どちらか分からない…私よりは背の高い人が入って来る。

慌てて立ち上がり挨拶をする。
「初めまして、果穂と申します。
急で申し訳けありません。 
今日は、よろしくお願いします。」

「初めまして、本谷です。よろしくお願いします。」
スラット手足の長い華奢な感じの人で、
トップスは丈の短めな黒のジャケットに、
黒のスキニーズボンをカッコ良く着こなし、
中性的な雰囲気をかもしだしている。

えっ……と、男性なのかな?
本人には聞けるはずも無く、何となくムズムズする。

「翔さんから聞いてないですか?
元女の本谷薫です。今は戸籍も男ですけど。」

「よ、よろしくお願いします。」
翔さんからは個性的な人間だけどいい奴だとしか聞いていなかった。

個性が強くてびっくりする。

元女の人だから緊張しないのかな?
男性恐怖症の私でも全然平気なのは…。

「明日、パーティなんですね。
奥様は大変ですね、堀井社長に振り回されてないですか?」

「いえいえ、翔さんはいつも気を使ってくれて、私の方がきっと振り回しちゃってる気がします…
今回は初めてのパーティーなんです。」
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