俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
果穂と2人、エレベーターを待つ。

上りのエレベーターが来て乗り込むと、
果穂はホッとしたのか急に身体が震えてくる。立っていられない程力が抜けて、座り込む手前で危うく抱き止める。

「大丈夫か?」

「ごめんなさい…。安心したせいか、今頃になって震えてきちゃった…。

いじめられる事には慣れてるんだけど、
……やっぱり、怖いから…。」

「そうだよな…。
怖かったな良く頑張った。
もう大丈夫だから、2度と果穂に近付かせない。」

俺はぎゅっと抱きしめて、背中をトントンと優しく撫ぜる。

階に到着して横抱きに抱き上げ部屋に運ぶ。
果穂は恥ずかしがって、ひたすら俺に抱きつき顔を隠してる。

「果穂、部屋の鍵ある?」
あっ。と思い小さなハンドバッグから急いでカードキーを取り出しドアに掲げる。

翔はそのまま果穂をベッドまで運び、丁寧にハイヒールを脱がす。
履き慣れない靴のせいで、踵が赤く靴擦れが出来ていた。
「足が痛かったな……靴ずれになってる。消毒しないと。フロントに連絡するから待ってろ。」

果穂自身は緊張していた為か、血が滲むまで皮が擦れていた事にまったく気付いていなかった。

直ぐに救急箱は届けられ、俺は傷口を手当しようと歩み寄る。

「翔さん、本当に自分で出来るから…
足、汚れてるし…大丈夫、です…。」
果穂は、恥ずかしがってなかなか手当をさせてくれない。

「痛くしないから早く見せて。」

何度かこのやり取りを繰り返したところで、果穂が折れて仕方なくストッキングを脱ぐ事になった。。

「絶対、いいって言うまで向こうを向いててね…。」
果穂は、何が恥ずかしいって、
人前でストッキングを脱ぐ事が1番恥ずかしかった。
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