俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
「何でお前らが会えて、俺が会え無いんだよ…。」
面白くなくて悪態をつく。

「僕さっき、果穂さんと一緒に写真撮ったよ!」
健も嬉しそうに言う。

「見せろよ。」
思わず翔は手を出すが、

「ダメだよ。式が始まるまで我慢だよ。」
健に言われてバツが悪い。

「式まで後20分だろ?ちょっとだから我慢しろよ。」
優斗が楽しそうに言うのが癪に触り、
翔は不貞腐れる。

「兄さんも一緒に写真撮ろうよ。
ついでにあの、お友達の方も是非一緒に。」

「ああ、そうか。
お前達、初対面だったな。こいつ弟の健。」

「そうか、俺らも話しは聞いていたから、
知ってる気になっていたけど、
翔の会社の副社長の高橋雅也です。
こっちは商品開発部、部長の向田優斗。
よろしくね、健君。」
3人が挨拶を交わす。

「せっかくなんで男4人で写真撮りましょう!」
そう言って、健はシャッターを押してもらう為、スタッフを呼びに行く。

「翔と違って弟は元気だなぁ。
爽やかなサッカー少年を絵に描いたような感じだね。」
雅也がそう言って健を見ている。

「俺と違って、て…どう言う意味だよ?」
まだ果穂に会えない事を引きずる翔は、
ぶっきらぼうに聞く。

「お前の爽やかは作り物だからなぁー。」
雅也がそう言って笑う。

「本当、そんな翔が1番早く結婚するとは思わなかったよな。」
優斗も考え深気に言う。

そんなたわいも無い話をしながら時間を潰し、やっとその時が来る。
< 87 / 232 >

この作品をシェア

pagetop