ソファーときんぴらごぼう

 
「…うーん…」

だいたいのことが終わって、お風呂も入った。

このお方、爆睡してる。

起こしたほうがいいのか…でも…気持ちよく寝てる…。

「いや、ベットに行ったほういいでしょ」

一人頷いて、起こしてみる。

「もしもーし。起きてくださいー」

ゆさゆさしても起きない。

「えええ…」

強めにゆすっていると、ぐるんと視界が回った。

「え」

ソファーでうたた寝していた姿勢から、ゆすった私の手と体を引っ張って、私を抱きしめる形で相馬さんが横になった。

耳元で寝息がする。

ちょいちょいちょいちょいちょーい!!!

心臓がバクバクして、脳内が真っ白になる。

「…ん」

妙に色っぽい声。

ちょっとまってよ、心臓が痛いくらいだ。

髪の毛をするすると相馬さんの指が梳く。

心臓が痛いくらいドキドキしてるのに、居心地がいい。

矛盾してるのに。

このままでいたいと思ってしまうくらいの居心地だけど。

ベリッと腕を引っ剥がして、どうにか、立ち上がる。

そのままトイレに駆け込んだ。

「…はー」

だめだ、もう。

離れてからのほうが心臓がバクバクしてることを感じる。

耐性ないなぁ、わたし。

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