白衣の王子たち

「ねぇ、はなちゃん。

本当に正直に答えて欲しいんだけど。」

今日は定期の通院日。

目の前の佐倉先生は、

キーボードを叩く手を止めて、こちらを向く。

今から先生が言わんとすることは分かる。

悪化の自覚があるか、聞いてくるんだろう。

「なに、、、?」

「正直に答えてね。

最近、前よりしんどいでしょ?

なにか日常生活に支障はない?」

予想通りの質問に対して

食い気味に返事をする。

「ないよ。いつも通り。」

呆れているのか

怒っているのかわからない表情を浮かべる先生。

「本当にいつも通りなのであれば、すごいね。

僕がこの数値なら寝込んでるけど。

息苦しかったり、

歩くのもしんどいはずの数値が出てるし。」

ひと拍おいて、先生はまた口を開く。

「正直もう、

外来で診られる域をとっくに超えてる。

悪いこと言わないから、しばらく入院しない?

体もたないよ。」
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