ラスト・クリスマス
思わず、このどうしようもない哀しみを、恥も外聞もなく、全てを大和にぶつけた。

「大丈夫だよ。つらい時は、いつでも俺が支えになるから」

「ありがとう…だけど私、大和にはおんぶに抱っこで申し訳ない…」

「いいって。飛鳥が立ち直って元気になった暁には、今度は誰かの支えになったらいい。世の中、そういうもんだろう?今はつらい時なんだから、無理するなよ」

「うん…。今はまだ先のことが見えないけど、不思議ね…大和が大丈夫って言うと、本当に大丈夫だと思えてくるの」

「それはよかった。とにかく、俺には遠慮するなよ」

「ありがとう…」

受話器を置いたあとも、胸の奥の優しい灯火は、まだ消えていない。
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