この胸が痛むのは
私はフロントで売っていたトルラキアの風景画の絵葉書を買い、姉に近況を送ることにしました。
アシュフォード殿下には送ることはやめました。

葉書を受け取った姉が殿下に見せるだろう。
それに、何を書けばいいのかも、わからない。
祖母との旅行で、あのふたりから離れて。
少し気持ちが落ち着いてきた私でした。


 ◇◇◇


ペテルさんとリンゼイさんの娘さんのアンナリーエはご両親の良いところを全部貰ったような美少女でした。
彼女こそ、3年後にはヴァンパイアに花嫁にされそうです。

私は彼女のように少し年上の先輩は苦手でした。
年下の私の身長が高いのが、見下していると受け取られるようで、キツく当たられてしまう事が多くて。
それで3歳年上と聞いて、また冷たくされるのでは……と思っていたのですが。


ナルストワ・アンナリーエは、彼女達とは全然違いました。
学校から帰宅して直ぐに、私達がくつろいでいたホテルのサロンに顔を出してくれました。
< 147 / 722 >

この作品をシェア

pagetop