この胸が痛むのは
「次は城に招待するよ。
 来月は私の誕生日があるんだ」

王城では来月、アシュフォード殿下の16歳のお誕生日のお祝い夜会が開かれるそうなのですが、デビュタント前の私は招待されません。

なので、それよりも前に小さなお祝いの席を設けてくださる、というのです。


「ふたりと言っても、付き添いでレディのお母上にも登城していただかなくてはいけないけどね」


いくら相手が子供の私でも、未婚の王子殿下が異性とふたりきりで食事を摂る事は避けないといけないらしいのです。


「後日、君だけの特別な招待状を届けさせますので、お祝いしていただけますか?」

「喜んで、お受け致します」

私は拙いカーテシーもどきを、殿下に披露しました。
それを見た殿下もとても……
とても、楽しそうに笑っていて……
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