この胸が痛むのは
それで今回のプレゼントはそれに決めていました。
私が自由に使えるお小遣いの金額は超えておりましたが、父に前借りと言うのを頼もうと思っていたのです。

案の定、母は私に難しい顔をされました。

「貴女のお小遣いでは買えないのではないの?
 それにもう、殿下は手に入れられているのではないかしら?」

母の言うことはもっともですが、少なくとも1ヶ月前には殿下はその形状のペンはお持ちではありませんでした。
それにペンなら何本あっても良いのではないかと思ったのです。 

それでも、父にはまだ、前借りの件をお願いしていなかったし、了承されるかもわからなかったので、私は何も言えず黙りました。


「貴女はまだまだ子供なのだから、お小遣いの範囲で買える他のものを見に行きましょう?
 ドレスを新調するから、その時にね?」

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