この胸が痛むのは
期待を込めて尋ねた俺の胸には喜びが溢れた。
初めて君に贈ることが出来たデビュタントの
ドレスを、ウェディングドレスに作り替えると、君自身が約束してくれた!



あの年のあの夜、俺ほど幸せな男はいないと、
信じた。
この約束があれば、この先も俺はやれる、
そう……目の前が晴れていく気がした。
体力と気力が底辺だったのに、いきなり世界の
全てを手にした様な高揚感に包まれた。


その約束をしたデビュタントの夜に。

君が身に付けていたドレスは紫色に染め替えられていた。
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