エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません
「何度もアパレル企業のM&Aに関わってるから。仕事を受ける時は、多少その業界の勉強をするおかげで詳しくなる。この店もその時に知ったんだ」
「そうだったんですね」
納得して頷きながら、瑠衣は胸がときめくのを抑えられないでいた。
先日瑠衣が何気なく話したことを覚えていて連れてきてくれたのだと理解すると、大和の気遣いをとても嬉しく感じる。
店内を見て回ると、大和の言う通り、これから夏本番だというのに店内はブラウンやくすみピンク、マスタードイエローなど、パステルカラーに比べて落ち着いた色味の洋服がずらりと並んでいる。
「わぁ、どれも可愛い!」
ソルシエールの服は流行を押さえながらも、決してブランドコンセプトがぶれることがない。一貫して上品で可愛らしいデザインの服の数々を目にしてしまえば、どれもこれも欲しくなってしまう。
目についた膝丈のワンピースを手に取り、身体に当ててみた。
薄いブラウン地に黄色とオレンジが差し色で入るチェック柄が可愛く、スタンドカラーとランタンスリーブが特徴的なデザインで、ウエストラインが絞られているため、着るとキレイなAラインシルエットになる。
「瑠衣に似合いそうだ」
「本当ですか?」
「うん、可愛い」
鏡越しに目が合ったまま微笑まれ、心臓が大きな音を立てて跳ねる。