研がれる私/長編エロティックミステリー
決行②


カレのマンションに着いたのは、午後7時15分前だった

少し早いが行ったれ!

私はそのまま404号室に”突入”した…


***


康友…

玄関越しでのアイコンタクト…

やはり心中は複雑だ

私、どんな顔してたんだろうとね…

ちなみにカレは抜けるような笑顔だった

コレ…、いつもと違ってるって!


***


康友は時間前の突入者たる恋人を、快くに迎え入れてくれたわ

今日はカレ、黒のポロシャツに白のジーンズだった

アーミーもいいけど、さりげないラフなかっこも似合う

ステキ…


***


対するぞろ目ちゃんの私も、ハーフコートの上着を脱いだら、白のフリーズ系とブルーのジーンズよ

一応、今日はハードに動く想定だから…(渋笑)

「なんか、お互いヤケにラフかな、今日は。誕生日を祝う席なのにな。ハハ…」

康友からはいきなり意味深な言葉が出た

さらに…


***


「今日は特別な日だ。この部屋も二人きりにした」

「!!!」

康友は何と…、リビングチェストの上から”彼女たち”を移動させてたわ

「いいの…?」

「ああ、今日は”こういうこと”にしたい」

「康友…」

「ルイ…、誕生日おめでとう…」

その瞬間、リビングチェストの前でカレは私に優しくくちづけをした

私は自然と目を閉じていた

それはこの人の気持ちを無心で受け止める…

そんな気持ちからかな…


***


楽しい~

幸せ~

いい男と素敵なプレゼント…、私の手作り料理(実は野獣カップルのエサ!)&シャンパン…

フツーはここで達し得る

世間では誰もが

すんなり結婚まで行かなくても、しばらくはルンルン、ウキウキ、イチャイチャの日々よ

それ、満喫よ

友人にこれでもかって、さりげなくうっとおしいのノロケ顔で

だけどさ…、私はそういった欲する内なる心が欠如しているのよ

厳密には、そこで満ち足りる自分を到達点にできない固執…

それよりも云々かんぬんと…

そういうことだから、本日の予定に変更はないわ

あしからずよ

でもね…、ふう…






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