研がれる私/長編エロティックミステリー
私、最終地点だし…



私たちの親の世代は、一日の仕事を終えた後、ウインドウショッピングに心をときめかせたという

むろん宝石店でもブティックでも化粧品店でも、手に取ってゲット候補を生で感じることはできた

でも、今すぐには手に入れられないものはガラス越しに眺めるという、自らに飢餓感を与える性がなんともねってとこだったみたいだ…


***


で…、今やネットショッピングの時代となった

生身の人間以外は…


***


『そんなことねーっしょ、男だってネット経由全然アリじゃん。ラインにSNS、いかがわしいサイトの数々…。国境を超え、杓子定規な各国の法律は欲望のカタマリ軍団が簡単にトンネルを開け、ゴールドラッシュだ。でしょ?』

言えてる

確かに…

でも、私にとってはココに行き着くことって、最終地点、頂上に値するって自覚を明確に持ってたから、結構ハードルは高かった

それを飛び越える決心に至ったのは、実はごく最近のこと…

そう…、ついに私は”そこ”にいっちゃった


***


いずれはって漠たる予感はずっと自分ん中にあったし、私の欲する究極のカタチは紛れもなくそこんとこだったんだから、然もあら~んってね

何しろ、私の過去と男遍歴のメチャクチャ加減でしっかりそこの土台は築かれたいたんだし…




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