研がれる私/長編エロティックミステリー
残った男⑦



「なるほど…。お前は頭もキレるし、度胸も文句なしだ。よし…、先に告白タイムとするか。もっとも、お前のことだ…、もうある程度の察しはつけてるんだろうがな…」

「…」

「…お前の共演者候補3人の生爪を剥がしたのは、確かにこのオレだよ。ソレを封筒に詰めてお前の部屋のポストに届けた、深夜の宅配人もオレってことになる。もっとも、3人目のはまだ宅配していないがね」

「”3枚目”は、最初から投函するつもりなんかなかったんでしょ?今日、ココで私に会った際に、直接渡すハラだったんじゃないの?」

「ほう…、すべてお見通しだったか。じゃあ、今出すか」

石神は黒い上着の内ポケットから封筒を取り出し、私の前のテーブルにそっと置いた

私たち二人の序盤戦はいきなりの展開となったが、あくまでもやり取りは静かなものだったわ


***


「開けてみないのか?」

「あとにするわ。ちょっと、考えがあるから。それより先に、たかだかバーチャルごっこで、こんなマネまで仕出かしたのか、その理由を説明してもらうわ。犯罪じゃないのよ、完全に」

「ルイ…、まず教えてやるよ。この”演出”はあらかじめ決まってたものだったんだよ」

「!!!」

私の予感…、当たったかもだ…






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