研がれる私/長編エロティックミステリー

第4章ー曲折の曲折ー

カラクリ①



「じゃあ…、やっぱりだったのね!」

「お前も察してたんだな…」

私ら二人、互いに妖しい視線をぶつけ合っていたわよ…


***


私は昨夜、考えに考えて、ひとつの仮説を導き出していた

その晩列挙した一連の事実から、ある推測に辿り着いたのよ

最大のポイントは”例の疑問”だった

石神が3人を”襲えた”のは、彼らが私の共演候補者であることを始め、住所とかまでを知っていたからだということ

なら、何故知ってるのとなる


***


それに付随して次のポイントも重要だったわ

”最後”に爪を剥がされたにことなる石渡が、凶行の主は残った男、石神だと示唆したこと…

更にカレは前の二人、高石と石橋の名まで口にしてた

これも故意に、他の候補者を知ってると私に伝える意図からだったのではないのか…

ここで見逃せないのは、その告白が石渡だということより、4人のうちの”3人目”だってことになる

仮にプー石渡が最初の犠牲者だったら、昨日の言はなかったんじゃないかとね

すなわち、いよいよ残った男と私が会う直前に、今回の背景を匂わせるという役目を、あらかじめ”3番目”は”担って(担わされて?)いたと…

ここで私の”仮説上”の決論だった

4人は最初から面識があった…、乃至は申し合せがあった…

ということよ!


***


そうなると、何故そこまでの異常な演出なのかってことになるわ

その理由よ

だがカレは、それは後から明かすということだったわ

まあいい…

ここは私の推測を突き付けてみるし…





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