研がれる私/長編エロティックミステリー
相互殺意⑤



あっという間に赤紫に染まった私の純白パンティー…

この色あい…

生理を…、いや初潮のアポなし訪問を受け止めた時のメンタルと酷似していた

興ざめと、ヌメッとした脱皮の実感…

私は蛇かよと、自問自答のごく一瞬…

時間が一時停止してくれた、あのメモリアルシーン

そんなものが巡った、私の脳裏による投影

おそらく数秒だった


***


その数秒間で、私の視線は左隣のカレに戻っていた

「いま拭き取ってやるから、両手を後ろに組みな」

「…」

気が付くとカレは、ズボンの後ろポケットからタオル大の布きれを取り出し、それを手にしていた

生地的には豆絞りのような手ぬぐいの類に見て取れたけど…

その、やや年季の入ったと思われる布を、康友は左手で掴むと私のパンティーにこぼれたキールの液体を拭い取っている

そのタッチは極めてソフトで情念的だった

つまり…、この”能動動作”自体は、私の股間に布をこすりつけていた…

そうなる…


***


しかも…

もう一方のカレの右腕もいつの間にか、私の肩に回り込んでいた

で…、私の体は、そのままカレのごっつい体の側へと抱き寄せられていったわ

カレの体に初めて触れた…

すぐにヘンな臭いを感じたわ

消炎の香り…

それは傭兵が、”その時”を重ね続けた結果の体内分泌が施した肌臭…

私は自然とそう理解していたようだ…


***


閑話休題…

左手の動きは、この私にとって、もはや薄い布を媒体とした愛撫と言ってよかった

私は次第に息を荒げ、明らかに感じていた

体の底から…、心の芯から…

なんということだ…‼

私は店の中で、この男に感じさせられている…





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