逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~

「私は今でも、百里を愛している。だから、百里が産んでくれた優太も優衣里も幸せにしたいと思っている。優衣里が結婚しても、いつでもこの家に来られるようにしておきたい。誰と結婚しても、優衣里が私の大切な娘である事は変わりないからな」

 優衣里は何も答えなかった。
 とりあえずどんな男を連れてくるのかと、優造は待つ事にした。


 しかし…。
 あの動画を見てしまえば結婚には、反対せざる負えないと優造は思った。


 暫く話し込んでいた麗人と部長の麗人は、そろそろお開きにしようと話していた。

「今日はお招き頂いて、有難うございました」
 玄関で手稲にい挨拶をする部長の麗人を、優造はじっと見ていた。
「伊集院さん、また仕事でもよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。門まで送りますね」

 2人で一緒に玄関を出てゆく姿を、優造は微笑ましく見ていた。
「彼となら結婚を許すのだが…」
 そう呟いた優造。



 門まで送ってくると、九条家からの迎えの車が到着した。

 運転手が降りてきて、丁寧に会釈をして後部座席のドアを開けてくれた。

「伊集院さん、近いうちに是非。僕の愛犬を見に来て下さいね」
「はい、是非伺います」

 それではと、頭を下げて部長の麗人は車に乗り込んだ。

 遠ざかる九条家の車を見送っている麗人。

 愛犬…名前はたんぽぽと名付けた。
 優衣里さんと大学で再会した時、とても優しい表情で子犬を抱きしめていた傍に可愛く咲いていた花がたんぽぽだったから。
 子犬を拾って、タンポポと名付けてからずっと子犬の向こうに優衣里さんを見ていた。
 ずっと会えないままで…本当は、卒業式までにもう一度会ったら伝えたかったんだ…優衣里さんがずっと好きですと…。

 伝えられないまま忘れられなくて、我が社に入って来た時はびっくりしたけど。
 優衣里さんは僕の事を覚えていないようで…朝丘さんと付き合うようになったんだ…。

 でも、どうして急に優衣里さんは朝丘さんと付き合う気になったんだろう?
 朝丘さんから言い寄って来たって噂だったけど。
 入社してきた時は、誰も寄せ付けない感じで他の男性社員が近づいてくると「来ないで! 」って目線を送っていたようだったけど…。

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