逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
(萩野さんは、私とは高校生からの同級生です。でも、萩野さんは友達のふりをして私の大切な人を奪ってきました。自分の作嘘を、本当だと思い込む癖があり。いつも自分は被害者だと思い込み、罪悪感を消すのです。…でも、そんな彼女の事はもうどうでもいいです。私…幸せになっていいですよね? )
「勿論、幸せになって下さい。…その為に、僕は貴女の中にいるのですから」
(嬉しいです。それでは、さっそくですが明日から部長に積極的になってくれますか? )
「え? …い、いいんですか? 」
(はい。それをしなかったから、私は自殺する事になってしまったのですから)
「分かりました。…でも、積極的になると過剰な事も起こると想定がされますが…」
(構いませんよ。だって、そうなれば嬉しいじゃないですか)
嬉しいの?
麗人はちょっと赤くなった。
(部長。全部見ちゃてもいいですよ、部長になら見せても構いませんから)
「な、なにを言っているんだ? 」
(本気ですよ。でも…ちゃんと見るのは。部長と、本当に愛し合うようになってからがいいですね)
本当に愛し合うようになってから…。
この先の未来で、優衣里さんと愛し合うようになっていると信じて行きたい…。
「安心して下さい。約束通り、伊集院さんの人生を取り戻しますから」
(じゃあ、一緒に取り戻しましょう)
「はい…」
じんわりと伝わって来る暖かさに、麗人は勇気をもらえた気がした。
そうか…。
きっと優衣里さんも、悔やんでいるんだ。
あの日記の内容からして、父さんに反抗して朝丘さんとの結婚を決めた様子だったから。
死んでも死にきれない感じなんだね。
僕の想いと、優衣里さんの無念が重なってリンクしているようだ。