私が愛した人は…
病院に着き、暁さんは直ぐ手術室に入っていった。

私と龍は、椅子に座って待った。

「龍…ごめんね…私のせいで…」

「鈴のせいじゃねぇ」

「けど…絶対空雅の…」

「そうだとしても、鈴のせいじゃない。兄貴もそーゆーはずだ」

龍は、私を責めようとしなかった。

隼人さんと香純さんも来て、謝ると2人とも龍と同じように、私を責めなかった。

どれぐらい時間が経ったかわからない。

無事でいて欲しいと、願うばかりだ。

「手術、終わりました」

先生が、手術室から出てきた。

「暁の容態は?」

隼人さんが聞いた。

「大丈夫です。傷は深かったですが、いしきもありましたし、龍さんが止血してくれたおかげで、輸血しなくて大丈夫でした。今は麻酔で眠ってますが、しばらくすると目が覚めますよ。10日入院すれば、退院できますよ」

その言葉に、ここにいる全員ホッとした。

手術室から、暁さんがでてきた。

点滴が繋げられていた。

ここは、四條組がよくお世話になってる病院らしく、関係者しか入れない個室の病室に移動した。

病室に着くと、外の空は夕焼けだった。

「俺たちは、1度家に帰るよ。暁が目を覚ますぐらいに、また来よう。組もバタバタしてるだろうし」
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