私が愛した人は…
「寝室見てくれ。鈴の物あるか?」

「学校の鞄や制服はある。多分、1回帰ってきてる。ちょっと待ってくれ」

電話を繋げたまま、龍は家を出て誰かと話していた。

「1時間半前に、制服で帰ってきたみたいだ。15分くらいしたら、私服に着替えて出ていったらしい」

「分かった。龍はそのまま、本家へ行ってくれ」

そう言い、電話を切った。

鈴の携帯に電話をかけたが、でない。

位置情報も確認したが、電源が入っていないのかわからない。

「慎吾。鈴がいなくなった。手のあいてる組員で探してくれ」

「俺たちも、本家戻って指示をだす」

「頼む」

親父たちは、帰っていった。

俺は鈴に何回も電話をかけ、メールも送った。

だが返事は無いし、電話もでない。

鈴…

どこに行ったんだ?

7日後、俺は退院した。

先生に、入院期間を10日から7日に短くしてもらった。

鈴がいなくなって、1週間。

入院期間中は、とりあえず仕事を詰めた。

退院したら、鈴を探す時間作るために。

組員も探してくれてるが、まだ見つからない。

週明け、龍が学校に行くと俺が刺されたことは噂になっていたらしい。

大鳳 空雅は、平然と来ていたと。
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