私が愛した人は…
10月20日は水曜日。

暁さんは、前日の19日から会社を休んで本家で待機。

私と龍は、19日のお昼から隼人さんと香純さんの家に行く。

ここから大鳳組までの距離は、車で30分。

こっちから攻めていくが、もしかしたら大鳳組もこっちに来るかもしれないからと、杉野さんと組員何人かは本家に残ることに。

当日、暁さんが帰ってくるまで一歩も外に出ない事。

色々作戦を立て、解散した。

そして、2日前。

事件は起きた。

今日は普通に、会社に行きもうすぐ帰るとこだった。

私の携帯に、電話がかかってきた。

この番号…

「暁さん。私、お手洗い行ってきますね」

「分かった」

トイレは行かないけど、暁さんに聞かれないように部屋を出た。

部屋を出て、誰もいない所に移動した。

「何?」

「そんなカリカリするなよ」

「用がないなら切るよ、空雅」

そう。

電話の相手は、空雅だ。

登録してないけど、電話番号は覚えていた。

「今から、言う所に1人で来い」

「行くわけ無いでしょ」

「来ないと、今から四條組を襲うぞ」

空雅のやつ…

「場所は、俺たちがいた施設だ。何も持たずに、誰にも知らせずに来い。携帯の電源は、切ってもってこい」
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