私が愛した人は…
日付けはとっくに回っていて、朝の6時。

一度本家に戻るよう、全員に指示をした。

「組長。大鳳組が最近隣の県の施設を買い取ったみたいで…」

帰ると、敦也が報告してきた。

「隣の県?」

「はい。元々は、児童養護施設だったらしいのですが、新しい施設をわざわざ用意し買い取ったみたいです」

児童養護施設…

まさか、ここにいるのか?

「ここに行ってみる」

その時だった。

バァーン…!!

銃声が響いた。

「大鳳組が、攻めて来ましたっ!!」

外で待機してたやつが、報告してきた。

俺たちは、急いで外に出た。

大鳳組組長を先頭に、大鳳組がいた。

大鳳 空雅の姿はなかった。

「抗争は明日の予定だが?」

「事情が変わってな。空雅から、今日中に片付けて欲しいと言われてな」

くそ。

こんな所で、こいつらに構ってる暇はない。

「暁。ここは俺がうけもつ」

親父が俺の前に立った。

「おや、久しぶりですね。四條組前組長」

「暁、お前は鈴ちゃんを助けてこい」

「頼む。親父」

俺は親父にここを任し、1人で鈴の元に向かった。

ここから、6時間もかかる。

無事でいてくれ。
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