私が愛した人は…
「なぁ、もしかして鈴って名前か?」

席に着くなり、いきなり転校生が話しかけてきた。

何で私の名前知ってるの?

私はとりあえず、無視しておいた。

「二学期は体育祭と文化祭があります」

そうか。

今月末に体育祭と11月に文化祭があるんだった。

去年は体育祭参加せずに、ずっと座ってたな〜。

文化祭も受付だけしかしてなかったな。

今年もそれでいいんだけど。

「では、今日はここまでです」

先生の合図で下校になった。

今日は始業式とホームルームだけだから、11時には終わった。

転校生の子はみんなに囲まれていた。

校門には数台車が止まっており、その中に杉野さんの車もいた。

杉野さんは私に気付き、車から降りてきた。

「杉野さん。お待たせしてすみません」

「いえ。お疲れ様です」

いつもドアを開けてくれる。

「このまま会社に向かいますね」

「会社ですか?」

「組長から、鈴さんを連れて来るように言われてるので」

そうなんだ。

そう言えば、今日お昼作ってないけどどうするんだろう?

昨日「お昼は大丈夫だ」って、言われたけど。

会社に着くと、杉野さんと社長室まで行った。
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