さよならしたはずが、極上御曹司はウブな幼馴染を赤ちゃんごと切愛で満たす
「月並みな言葉かもしれないけれど、運命ってあるんじゃないかと思う。離れてしまうことも、引き寄せられることも……俺と君の間には、きっと」
 そうなのだとしたら、これから先はずっと一緒にいられる運命でありたい。ずっと共に歩いていける人生でありたい。
 それから――。
 三人で帰宅して簡単に食事を済ませたあとも、葵生は律樹にべったり甘えていた。はしゃいで疲れたらしい膝元に身を寄せたままブランケットに包まりうとうとしている。そんな親子の様子をいつまでも眺めていたいと思いながら、光莉は引き出しに仕舞っていたあるものを律樹に差し出した。
「これは……」
 母子手帳だ。最初のページには御守が挟んである。
 昔、律樹がくれた御守だった。色褪せて、年季が入ってはいるものの、大事にしている。
「なつかしいな」と律樹は言ってから、側においてあった鞄を開いた。
「君に言われてから、鞄の中に入れていたんだ。昔君がくれた、比翼連理の御守……」
「懐かしい」
「今なら理由はわかるよな?」
 光莉は顔を赤くし、頷く。
「もちろんよ」
「これからは一緒にしておこう」
「うん」
 律樹の手が伸びてきて光莉の頬をやさしく撫でる。それから彼の顔が近づき、唇を啄んだ。間近に見つめられると、愛しい気持ちが溢れ出していく。今もずっと彼に恋をし続けていることを思い知らされる。
「……足りない」
 律樹の情熱的な眼差しを受け、光莉は頬を赤く染めながら愛しい夫を咎めた
「これからはいつでもできるでしょう?」
「そうだね。それでも、たくさんしたいんだよ」
 じりじりと迫られ、光莉は困惑しながら、必死にふたりの間にいる天使の存在をアピールする。
「……もうっ。律樹さん、大事なこと忘れてない?」
「忘れてないよ。大事なふたりの子なんだから」
 むにゃむにゃと目をこすっている葵生の頬に、ふたりしてそれぞれキスをした。
 最愛の我が子への想いを込めて。

◇エピローグ 最愛 ~君という光~

 ヴァイオリンの音色に目を覚ます。
 純白のウエディングドレスとタキシードが揃って飾られているのが見えた。そして、律樹が贈ってくれたシンデレラが履くような白い靴。ここに存在する何もかもが愛おしくて、光莉は胸がいっぱいだった。
 結婚式の翌日、宿泊したホテルの部屋。
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