fantasista 3 ー永遠にー




柊はそんなあたしの手を引き、


「行くなよ」


静かに告げる。

思わず柊を見たが、なんだか悲しそうな顔をしていた。


「メシなんてどうでもいい。

……行くなよ」


また告げる。

その気持ちは嬉しいし、柊が落ち込んでいるのは分かる。

でも、


「あんたは身体が資本でしょ?」


あたしは告げた。

柊が頑張っているから、あたしも出来ることはやらなきゃ。


「試合も近いんだから、ちゃんと栄養摂らなきゃ!」


そう言って、家を飛び出していた。

あたしの後ろ姿を柊はどんな顔で見ているかなんて、気にもしていなかった。


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