王子は香水姫を逃さない

王妃との会談

 
 「ロゼ、皇太子に見破られてしまったんだね。まあ、いずれはそうなるような気がしていたよ。このままだと噂になりそうだったからね。男どもが毎日来ていて、あれじゃあ商売の邪魔だし、ロゼも迷惑だろう。」
 
 夕食を囲みながら、目の前のサラは豪快に地酒を飲み干した。
 
 「申し訳ありませんでした。こんなに早く素性が知れてしまっただけでなく、城に召されるなどとは。明日はご迷惑おかけします。」

 ロゼリアは自分たちが城に行くことで明日一日店番がサラ1人になることを気にしていた。
 
 「そんなこと気にしないでいいよ。それより、王妃様に宣伝してたくさん商品売ってきておくれ。お得意様になってくれたらこの店はもう心配いらないからね。王室御用達ってやつだよ。」

 サラは上機嫌でもう一杯飲み干した。
 
 翌日。店先に馬車が止まった。何事かと通りの人々は噂話をしながら見つめている。
 
 ピアース近衛隊長が、皇太子の代わりにロゼリアをエスコートしながら馬車に乗せた。
 その後ろから商品を入れた布袋を抱えたエリンが馬車に入っていく。
 
 サラは店先に出て、2人を見守っている。



 
 
 
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