イケメン検事の一途な愛


強引なキスは、甘く蕩けるようなキャラメルの味がして。
夕食前の前菜にしたら、かなり濃厚な味だけど。
十分すぎるほどに満足できた。

「浮気すんなよ」
「しないよっ!」
「どうだか」
「いっそのこと、奴とのスクープが出る前にうちらの関係を公表しちゃう?」
「え?」

『うちらの関係を公表』って。
それって、来栖 湊の交際相手は俺だと?

いやいやいやいや、それこそまずいでしょ。
一般人だし。
いつかは公にする日が来るとしても、何の準備もしてないのに。

「嫌なの?」
「え?」
「なんか、困った表情してる」
「……嫌ってわけじゃなくて」
「ほら、やっぱり困ってるじゃん」

何でもいつでもオープンな彼女。
昔から嘘が嫌いで常に堂々としている。
その性格の明るさと誠実さが、周りを虜にするんだろうけど。

「例えばさ」
「……ん」
「俺らの関係を公表したら、堂々とデート出来る?」
「……ん、出来ると思う」
「一般人でも?」
「出来るでしょ。そういう女優さん多いよ?」
「そうなんだ」

全く芸能関係に疎い俺は、現実を目の当たりにする。
彼女と堂々とデートしたり出来るなら、何ら問題ないのか?

今まで考えたことも無かったことを物凄いスピードで考えてみる。
あ、でも……。
志田という男。
単なる交際宣言なのではなくて、彼女の過去をバラすと脅してるはずだ。
だとすると、俺らの関係を先に公表するのは彼女にとって不利益になるはず。

「いや、公表はもう少し先でいい」
「なんで?」
「色々と、準備に時間がかかるから」
「え?」

唖然とする彼女。
今までの熱愛報道とは異色なもののはず。
俺にだって、考えはある。
だって、脳内の処理速度には自信があるから。

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