イケメン検事の一途な愛
『深夜に申し訳ない。動画の件だが、こちらの方で既に削除してあるのでご報告を。既に閲覧された分はどうにもならないが、コメントと投稿者のアカウントも凍結しておきました。あまり深刻に考えず、ゆっくり休んで』
皆川にメールを送信した後、来栖 湊へメールを送信。
削除した事を知らずに、気を揉んでいたら可哀そうだと思って。
髪を乾かし終え、再びベッドに潜り込む。
まだ3時間寝れる。
部屋の明かりを落とし、眠りについた。
翌朝、目覚めると来栖 湊からメールが届いている。
『お手数お掛け致しました。本当に感謝してもしきれないほどです。有難うございました。何か私に出来ることがあったら、いつでも遠慮なく仰って下さいね』
社交辞令口調ではあるが、誠意は伝わる。
殆どドラマや映画は観ないから、先入観に捕らわれることもない。
あの一件が落ち着けば、もう接点もないし、連絡を取り合うこともないだろう。
住む世界が違う住人同士、これが最後だとそう思った。
*****
「……ーー…今夜19時にモール内の『S&L』というカフェだからね」
「………分かったよ、行けばいいんだろ、行けば」
「言っとくけど、この間みたいに男性同伴しても無駄よ」
「………ハイハイ」
「レストランとか料亭を避けてあげただけ有難いと思いなさいよ?」
「あ~ハイハイ」
「どんな子でもいいのよ、心から本気で愛せる子なら」
「分かってるって。もう切るから」
早朝から気分が完全に地獄行になった。