離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
 フットワークの軽さに苦笑しつつ、言われたように母の所に行こうかと思ったが、母は父と旧知の社員らしき人達と笑顔で話していた。

 割って入るのはやめようと、純玲はウーロン茶を手に休憩できるところを探そうと周りを見回した。

 ドレスに合わせたヒールの靴は元々低めだったのでそれほど不安定ではなかったが、立ちっぱなしで少し疲れてきた。

 遠目に笑顔の泰雅が叔父と話しているのが見える。

(気のせいかな、叔父さんの顔色が悪い気がする)

 泰雅が内緒話のように何かを耳打ちすると、叔父から余裕の表情が消えたように思えた。
 大丈夫かなと思いつつ、会場の隅に並んだ椅子にひとり腰かけた。

 すると、ひとりになった純玲に目ざとく声を掛けて来た人間がいた。

「純玲、久しぶり」

 純玲の前に立ったのは、以前交際していた男。今は婚約者の瑠美は伴っておらず、ひとりで純玲に近付いてきたようだ。

「……肇、さん」

「ちょっと会わない内にずいぶん綺麗になったな。そのドレスも似合ってる」
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