離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
「今日会社はお休みさせてくださいって白石先生が言っていたわ。連絡は自分がしておくからって」

「ううん、今日は出勤する……あのね、私」

 純玲は自分がこれからどうしたいかを両親に伝えた。

「そうか。純玲が思うようにしたらいい。どんな人生を歩んでも僕らは君の味方だから」

 ふたりは純玲の考えを尊重すると頷いてくれた。


 その後身重の純玲を心配した父が、家まで送ると申し出てくれたのだが、開店準備で忙しいはずなので駅までにしてもらう。
 
 通勤ラッシュを少し過ぎた地下鉄でマンションに戻る。

 マンションには泰雅の姿は無かった。既に出勤済みなのだろう。純玲は着替え身支度を整えてから会社に向かった。

「白石さん? 体調が悪いから休むとご主人から連絡があったのですが、大丈夫なんですか?」

 秘書室に顔を出すと、神崎が驚いてやってきた。

「はい、もう大丈夫ですご心配かけてすみません……それで、あの、今日社長にお時間を作っていただくことは可能でしょうか。個人的にお話したいことがあります」

 神崎は純玲の真剣な顔に瞬かせる。

「個人的なこと、ですか」

「はい……神崎さんは知ってらっしゃるんでしょう? 私の素性のこと」

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