離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
「俺は、君がご両親を大切にしている優しさに付け込んで契約結婚に持ち込んだ」

「契約結婚に持ち込んだって、泰雅さん、最初から……」

 私を好きだったんですか?という言葉はおこがましいような気がして続けられない。

 しかし泰雅はあっさりと答えをくれる。

「家庭教師をしているときから、ずっと君が好きだった」

「え……」

「再会した夜のことは俺にとって千載一遇のチャンスだったんだ。やっと手に入れた君を百田に取られたくなくて、こそこそ動き回ったし、君に俺のことを好きになってもらって、実の父親のことがわかっても向こうにいかせないようにしたかった」

 驚く純玲に泰雅は「なかなか、君の気持ちは手に入らなかったけど」と呟く。

「いっそ、子供が出来れば君は俺から離れられないのにって思ってた。だから、妊娠したって聞いて、俺に都合がよすぎるって逆に戸惑うくらいだったんだよ。君の気持なんか考えもせずにね――最低だろう?」

 純玲の肩を抱いていた泰雅の掌の力が自信無げに緩んだ。

「そう……だったんですか」

 純玲が妊娠を告げた時に感じた彼の戸惑いの表情は、その複雑な気持ちが表れたものだったのだ。
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