離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
「帰国した途端、勤め先の事務所の所長が待ち構えていたように娘との縁談を勧めてきてね。彼女とは旧知の仲だけど、結婚は考えられないから穏便に断りたい」

 しかし、今回断っても、独身でいる限り、今後も仕事がらみや実家から見合いが持ち込まれるのは目に見えていて面倒だと思っているという

「お見合いは嫌なんですか?」
「見合いから結婚までにかける時間があるのなら、今は日本での仕事を落ち着かせたい。結婚はその後だと思っていた」
 確かに日本に帰国したばかりで、見合いして結婚しろと周囲に圧力を掛けられ続けたら、当人にその気がなければ面倒かもしれない。

「さらにこの業界は既婚者の方が弁護士として信用されるから、仕事もしやすい」

「そういうものなんですね……」

 彼ほどの能力を持っていれば、結婚の有無なんて仕事のしやすさに関係なさそうだけれど。

「純玲ちゃんが妻になってくれたら、俺は周囲に干渉されない上に仕事もしやすくなる。代わりに俺は君の結婚相手としてご両親に挨拶に行くし、夫として振舞う。ご両親が見たいなら結婚式を挙げてもいい。おれでお互いの目下の問題は解消する」

 ポカンと聞いている純玲に畳みかけるように泰雅は続ける。
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