俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
「芙美は私の娘だが、これからは早瀬くんの妻でもある。私の発言できみに不快な思いをさせてしまったのならすまなかった」
「いえ、私もつい感情的になってしまい、申し訳ありませんでした」
早瀬先生はそう言うとカバンに手を伸ばし、そこから一枚の用紙を取り出してテーブルに広げた。
「改めましてお義父さん。私たちの結婚を認めてくださるなら、さっそくですがこちらにサインをお願いできますか」
彼が父に向けてすっと差し出したのは婚姻届。事前に聞かされていなかったため、私は思わずぎょっと目を見開いた。
今日は挨拶だけだと思っていたのに、まさか婚姻届まで用意をしてサインまで貰おうとしていたなんて。用意周到というか、私の考えのさらに上をいった行動はさすがだ。
婚姻届を手に取った父の表情が少しだけ強張った。
「随分と展開が早いな。挨拶に来たその日にサインを求められるとは」
「申し訳ありません。少しでも早く芙美さんを妻にしたい私のわがままです」
早瀬先生が口角を上げて微笑むと、強張っていた父の表情も少しだけ穏やかになった。
「きみはそこまで芙美のことを想ってくれているのか」
「ええ、もちろん。愛しています」
ドクンと私の心臓が大きく高鳴る。思わず早瀬先生の横顔をじっと見つめてしまった。