俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない

嫉妬




休日の朝、朝食の支度をしていると同じく今日が休みの早瀬先生も起きてきて、シャワールームに向かう足音が聞こえた。

昨夜は急患対応で帰宅が遅く、疲れたのかそのまま眠ってしまったので今からシャワーを浴びるようだ。

早瀬先生と結婚して一緒に暮らすようになり三週間が過ぎた。

季節はだいぶ夏めいて、窓から差し込む日差しも強くなった。日によっては半袖で過ごせるくらい暑い日もあれば、季節が逆戻りしたように涼しい日もある。

今日は朝から天気もよく、過ごしやすい陽気だ。

ふたり揃って休みなのだが、昨夜の急患のこともあり早瀬先生にはいつ呼び出しがかかるかわからない。それに、休みといっても彼はあまり娯楽事に時間を使おうとはしない。

部屋にこもって最新の医学情報を得るために医学書や論文を読んでいることが多いので、休日も仕事をしているようなものだ。でも、それが息抜きにもなっているらしい。

近々、郡司先生を執刀医とした国内でもまだあまり症例数のない難しいオペの助手に入ると聞いているので、そのための勉強もしているのだろう。

早瀬先生と結婚する前の私は、彼のことを才能に恵まれた人だと思っていた。でも、それ以上に日々努力を惜しまないストイックな人だと一緒に暮らし始めて気が付いた。
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