俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
「結婚している女は男とふたりで飯には行かないんだ」
「でも、山之内さんとは子供の頃からの知り合いで」
「それでも俺が嫌なんだよ」
その声からは微かな怒りが感じ取れる。
連絡先の件の誤解を解きたいし、そもそもなぜ早瀬先生があの場に現れたのかも尋ねたいのに、どれも言葉にならなかった。
「お前は俺の妻だ。自覚が足りないようだから教えてやる」
私の手を解放した彼の手が背中と膝裏に回り、軽々と横抱きにされてしまった。
そのまま廊下を移動して自室の扉を開けると、そこにあるベッドに私のことを下ろす。自身も乗り上げてくると、仰向けに寝転がる私に跨り、顔の横に両手をついた。
「早瀬先生っ」
「まずはその呼び方からどうにかしろ。お前はいつになったら俺の名前を呼ぶんだ」
ずっと早瀬先生と呼んでいたので今さら彼のことを名前で呼ぶには抵抗がある。でも、確かに夫婦なのだからいつまでも早瀬先生と呼ぶのはおかしい気もする。
なかなか呼べずにいると早瀬先生が訝しげな視線を向けてきた。
「まさか俺の名前を忘れたとか言わないよな」
「い、いえ。覚えてます」
「じゃあ呼べ」
少し乱暴に促されて、つい口をきゅっと結んでしまう。それから観念するように口を開いた。