壊れるほどに愛さないで
第4章 美織と美野里
カーテンからの日差しで、瞳を開けると、私は慌てて起き上がった。

見れば寝室の時計は、七時を過ぎていて、今から用意しても、完全に遅刻だ。

「美織、起きた?」

雪斗が、寝室扉から顔を出すと、スマホを振った。

「大丈夫だよ、会社には、体調不良で俺も美織も午前休の連絡、益川部長に連絡したから」

「えっと……」

「ま、所謂サボり?高校ん時以来かも。って美織は、サボりなんかしたことないか」

雪斗が、ベッドサイドで、私を見下ろしながら、悪戯っ子みたいに、にんまり笑う。

「初めて……サボっちゃった」

「だろうな」

雪斗は、ケラケラ笑うと、口元の絆創膏を剥がしながら、ベッドサイドに腰かけた。

雪斗の唇の端は、目立つほどではないが、まだ切れて赤くになっている。
< 128 / 301 >

この作品をシェア

pagetop