壊れるほどに愛さないで

(頭が、ズキズキ痛い……)

そして頭の中が、ぼーっとする。いつの間にかベッドに横たわってることに気づいた私は、慌てて起き上がった。

わずかに煙草の匂いのするベッドに、此処が、友也の部屋じゃない事をすぐに理解する。

急いで起き上がったからか、頭が、ぐわんとして目が回りそうになった、私は、思わずこめかみを抑えた。

「起きた?」 

「え?!」

突如聞こえた、聞き覚えのある声に、私は、服の乱れも何もないのに、慌てて布団をかぶり直した。

「ふっ……そんな驚かなくても、何もしてないよ、綾瀬さんと恭平にも、口酸っぱく言われてるし」

雪斗は、寝転んでいた、ソファーから起き上がり、寝室にやってくると私を見下ろしながら、にこりと笑った。

時計を探して見れば、朝の5時だ。出社には、まだ随分と早い。

「えっと……」

「俺もさっき、起きたとこ、コーヒー入れるからおいでよ」

「あ、の……」

状況が、全くわからない。

昨日、鳥吉で雪斗の歓迎会に行って、お酒を飲みながら、和と話してて、そこに恭平と雪斗が来たのは覚えている。そして、友也と電話をした後、無言電話がかかってきて、店に戻って、最後に、残っていたカルピス酎ハイを飲み干して……。

クスッと雪斗が、笑った。
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