愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
三月半ば、ついに役員会で柏木社長が正式に社長を退任する旨、その後継者について俺が後継者として承認される日となった。
三木さんの協力もあり、他の役員にも根回し済みなので大きく揉めはしないだろうが、ひとつ懸念事項があるとするなら柏木社長の代役として出席する秘書の崎本だ。彼にだけ、情報を回していない。
「柏木社長の娘さん? ああ、二年前にこっちに戻られたらしくてね。ひとりでいるお母さんが心配だったとか。たしか二十五歳くらいかな?」
会の始まる少し前に、三木さんに念のため柏木社長の娘がどんな人物なのかを聞いてみる。
「幼い頃から知っているけれど、美人でいい子だよ。明るくてね。ご両親が離婚したあとはしばらく落ち込んでいたけれど」
「そう、ですか」
その話で愛理を思い出す。彼女もたしか両親が離婚していた。別の女性について話を聞いているのに、こんなときでも愛理が頭から離れない
「愛理ちゃんって言ってね」
おかげで三木さんから続けられた言葉は幻聴だと思った。
「愛、理?」
彼を二度見して聞き返すと、三木さんは不思議そうな面持ちで頷く。聞き間違いではなかったと今度は彼に食ってかかる勢いになった。
「あ、あの、彼女の名字はなんて?」
心臓が早鐘を打ち始める。柏木社長と対峙するとき以上に、動揺している自分がいた。俺に圧倒された三木さんは、しばし目を泳がせる。
三木さんの協力もあり、他の役員にも根回し済みなので大きく揉めはしないだろうが、ひとつ懸念事項があるとするなら柏木社長の代役として出席する秘書の崎本だ。彼にだけ、情報を回していない。
「柏木社長の娘さん? ああ、二年前にこっちに戻られたらしくてね。ひとりでいるお母さんが心配だったとか。たしか二十五歳くらいかな?」
会の始まる少し前に、三木さんに念のため柏木社長の娘がどんな人物なのかを聞いてみる。
「幼い頃から知っているけれど、美人でいい子だよ。明るくてね。ご両親が離婚したあとはしばらく落ち込んでいたけれど」
「そう、ですか」
その話で愛理を思い出す。彼女もたしか両親が離婚していた。別の女性について話を聞いているのに、こんなときでも愛理が頭から離れない
「愛理ちゃんって言ってね」
おかげで三木さんから続けられた言葉は幻聴だと思った。
「愛、理?」
彼を二度見して聞き返すと、三木さんは不思議そうな面持ちで頷く。聞き間違いではなかったと今度は彼に食ってかかる勢いになった。
「あ、あの、彼女の名字はなんて?」
心臓が早鐘を打ち始める。柏木社長と対峙するとき以上に、動揺している自分がいた。俺に圧倒された三木さんは、しばし目を泳がせる。