少女達の青春群像　　　　　　　　　　　～舞、その愛～
　舞も響歌達と同じだった。中葉とももう交換日記のやり取りをしていないし、手紙も来なくなった。

　それでも中葉の方は諦めてはいないらしく、同じコースの人に舞のことを訊かれた時、『卒業式の時に告白するつもり。その方がドラマチックだろ』というようなことを言っていたのだが。

　交換日記のやり取りをしなくなったのは中葉が止めたからではない。あの日記は３年になったばかりの頃、学校裏の焼却炉で燃やしたのだ。
　
　それでも燃やしたのは中身だけで、立派な表紙は残っている。その表紙は中葉の机の中に入れておいた。酷い人だと思われてもいい。むしろ思って欲しい。そうしないとあの人も踏ん切りがつかないだろう。

　それにあの日記は残しておくと危険だ。色々なことが書かれ過ぎている。そういったことから響歌と一緒に燃やすことに決めたのだ。

　川崎のことも、あれから本当に踏ん切りがついた。やはり告白して良かった。あと半年で卒業を迎えるが、晴れやかな気持ちで旅立てるだろう。
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