大人の初恋
私の家に到着した。
家の中に入る。
ふと美紅のカバンを見ると、何だかやたら大きい気がする。
寒いしモコモコのパジャマでも持ってきたのかな?と思いながら、暖房のスイッチを入れる。
「寒いねー」
と言うと、
「寒いねー」
と美紅が返す。
「寒いからお風呂にする?」
「うん。湯船に浸かりたいからお風呂ためてもらっても良い?」
「いいよ。お風呂入ってゆっくり温まって。」
「えっ?一緒に入るんだよ!入浴剤持ってきたから一緒に入ろうー。」
「いいね。一緒に入ろう」


 湯船にお湯がたまるのを待つ。
その間に美紅はパジャマを出したり、化粧水などを準備する。
パジャマを取り出したが、あいかわらずカバンの中が大きく膨らんでる。
何だろうな?と思っていると、お風呂がたまった音がなる。


 脱衣所で2人とも服を脱ぐ。
美紅に目をやると……相変わらず大きい。
痩せているのに何故出ている所は出ているのだろうか?と眺めていると美紅に
「もー見すぎ」
と笑われた。
キャッキャしながら2人で湯船に浸かる。
美紅が持ってきた炭酸入りの入浴剤が気持ちいい。
2人ともリラックスしながら、今日の疲れをとっていく。
「温泉行きたいね」
ふと私が呟くと
「私、クリスマスにコテージ予約したんだ。温泉つきだよ!でも彼氏と行くから、結奈もクリスマス前に彼氏作ってよ!そしたらダブルデートで一緒にいこー」
「頑張ってはみるけど、難しいかな。」
そんな話をしながらお風呂から上がる。


 着替えたりスキンケアをしたりする。この後何しようかな?と思っていると
「コンビニ行かない?」
と美紅が言う。
「何か忘れ物した?」
「少し飲まないかなと思って。」
「明日休みだし良いよ。でも着替えちゃった」
「大丈夫だよ。上着羽織ればいけるよ!」


 2人でコンビニに行きお酒とつまむ物を買って家に戻る。


 お風呂で温まったのに体は冷えていた。
しかし美紅が一緒に居るからだろうか。心は暖かい。
こんなに何を一緒にするのにも楽しい気分になるのは美紅だけだなぁと思う。


 お酒を空け、飲み始める。
「美紅のカバンの中、何入ってるの?」
「知りたい?」
と言ってカバンを探る。
「ジャーン」
と言いながら箱を取り出す。
組立式のクリスマスツリーだ。
「邪魔かなって思ったけど、結奈の家、殺風景だったから。もしかしたらサンタさん来るかもよ」
「そうだったら嬉しいね。ありがとう。一緒に飾り付けしよ」
と言って2人で組み立てる。
光ファイバーでキラキラと光るツリーは凄く綺麗である。


 装飾品を飾り付けていると、LINEの通知音が鳴る。


    高橋 渚

 通知画面にそう表示される。LINEいつ交換したっけ?と思いながらも画面を開く。

 【月曜日も宜しく。
あんまり飲み過ぎるなよ。】


と書いてあった。
もしかしたらコンビニに行ってる所を見られたのかな?
と思いながら驚いていると、美紅が画面を覗き込んできた。
ニヤニヤと私の顔を見る。
「クリスマスツリー飾ったからプレゼント届いたんじゃない」
とニヤニヤしながら話す。
ほろ酔い気分の2人は、今組み立てたばかりのクリスマスツリーを真ん中にし、2人で乾杯している所を写真で送った。


 楽しい気分のまま2人で布団に入り、眠りにつく。

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