砂漠の国の素直なお姫様は隣国の王子に愛される!
「あーあ、イケメンの王子様が迎えに来てほしー」

「サラ様だっていつかはお国のために結婚なさるでしょう?」

「そうだけど、絶対おっさんじゃん!」

「サラ様、正直が過ぎます」

だって、そうでしょう?

イケメンの王子様が迎えに来てくれるのは、物語の中だけ。

政略結婚なんてそんなもの。


コンコン。


「はーい、どうぞ」

「サラ様、お父上がお呼びです」

「え」


お父様が私に改まって用事とは珍しい。

私は少しドキドキしながら、お父様のところへ向かった。

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