❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛

新堂健斗は近々組長を襲名する。

表の顔、春日部拓真は既に社長だ。

そして、新堂健斗の側近である大館と言う男が新堂組若頭になると聞いている。

この大館と言う男もただものではない。

まずはキャバ嬢ユリエと言う女を調べるか。

俺は行動を起こした。

その頃、健斗はかすみの側を片時も離れず、手を握って付き添っていた。

かすみは夢を見ていた。

健斗が女性を抱き抱えて、自分の前から離れていく光景を……

「健斗さん、健斗さん」

健斗はかすみの声にびっくりして、目が覚めた。

「かすみ、俺はここにいる、かすみ」

かすみはゆっくりと目を開けた。

目の前に健斗が心配そうに覗き込んでいた。

「健斗さん、良かった、夢だったんですね」

「夢？」

「健斗さんが知らない女の人を抱き抱えて、私の前から姿を消しちゃうんです、
私が健斗さんの名前を呼んでも、振り向いてくれなくて……」

そこまで言うと、かすみは目にいっぱいの涙を溜めて言葉を詰まらせた。