王子様は拗らせお姫様の虜
僕は、あらかじめ、実花子説得プランなるものを立ててから、今日、この話を実花子に持ち出した。

拗らせお姫様に、うん、と言わせる自信はある。

僕は、立ち上がると、実花子がお鍋に長ネギを入れて肉豆腐を煮込み始めたのを確認してから、後ろから抱きしめた。

「ちょ……な、何なのよっ」

「実花子の匂いが嗅ぎたくて」

「ばかじゃないの!変態っ!」

そういいながらも実花子の頬は、もう苺みたいに真っ赤だ。

「実花子に、変態って言われるの悪くないかも」

僕は、耳元で囁いてから、首筋にキスを落とす。

「ダメッ……見えるところは困るからっ!」

「分かってるよ、見えないとこにつけるから」

少しだけ抵抗する実花子を押さえるようにして、襟ぐりを捲ると、僕は、実花子の肩のあたりに赤い痕を残した。

「ねぇ、月の屋リゾート、もう予約しちゃった」

実花子が、慌てて僕の方に身体ごと振り返る。
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