サンタクロースに執着されました
クリスマスマーケットは……恐ろしく忙しかった。

「二千四百円になります。
電子決済ですか?
では、こちらにお願いします」

「こちらですか?
こちらはドイツのメーカーから直輸入したもので、国内で販売しているのはここだけになります」

次々にやってくるお客様を課長とふたりで捌く。
閉店時間が近づいた頃には、笑顔のまま顔が固まっていないか心配になるほどだ。

「お疲れさまです」

「あ……。
ありがとうございます」

閉店作業が終わり、疲れ切って近くの花壇の縁に座っていたら、夏目課長がミルクティのペットボトルを差し出してくる。
それをありがたく受け取った。

「怒濤の一日でしたね……」

もらったミルクティを飲みながら、ぼーっときらびやかなイルミネーションを見上げる。

「そうですね……」

隣に座り、缶コーヒーを飲む課長の口からも、疲労の濃いため息が吐き出される。

「夏目課長はこれが明日もですか」

「そう、なんですよね……」

虚ろな目をした彼は、はははっと自嘲気味に笑った。
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