私は人魚姫
「ありがとうなんてそんな、すごいことしてないよ。」

「でも、俺が言いたかったんだ。」

「そっか。」

「ああ。」

「さようなら。

これまでありがとう。」



一言話すごとに、泣かないようにって堪えなきゃ、すぐに涙なんて溢れてたと思う。

堪えられて、良かった。

もう、渚はいない。

だから、少しくらい、泣いても良いよね?

私の涙は、撫子の花の上にポツポツと落ちていった。







もう、起きても渚のお城ではない。

人魚に戻ったから。

お父様には、謝った。

無断外泊して「ごめんなさい」って。

お父様は、「魚々が無事だったならそれで良い」って。
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