世界を救うために奮闘するお話
さっきまでのトロけるような
表情ではなく、キリッとした精悍な顔つき
にルーシアがなると

「リコット、ルシウス兄上から
夜会の話聞いてるわね?
参加されるのよね?」

「はい。」
と、リコットが答える

ルーシアが安心したように微笑むと
「はぁ、良かったわ。ルキアス兄上にお願いして、わたくし達の名前も参加者リストに加えるように動いてもらったの。当日も一緒にいくわ」

えっ?皇太子殿下が?と、思ったがリコットは
何も言わなかった。


「それで、当日のエスコートは誰がされるの?
ルシウス兄上?」

「いえ、お兄様です」

……

……

少しの沈黙の後に
ルーシアとメイファンが
顔を赤らめモジモジするが

顔をブルブル振って
ルーシアは
その顔を自分でパシンと叩くと

ふぅ、危なかったと呟きながら

「…わかったわ。
リコットにお願いがあるの。
その日、わたくし達に魅了封じの魔法
をかけて欲しいの。」

ルーシアは真剣な顔で
リコットに言う

リコットはそういった魔法は得意なのだ。
そして、リコット自身は
魔法をかけなくても魅了は効かないという
耐性がある。

リチャードも魅了には多少耐性はあるが
他人にかける事は出来ない。
(ちなみに、リチャードの魅力は
本人のありのままの姿である。)
そして、リコット程完璧に防ぐ事は出来ない。

「わかりましたわ。
ただ、シールドと違って
広範囲に自在にかける事は出来ません。
かけたい人に触れないといけません。
ですが、、、なぜですか?」
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