復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
「どうだろうな。きみに侍女の仕事はちょっと……。そのつもりだったのなら、きみはそのままでいてくれればいい。きみを見ていると癒される。それから、笑える。それだけで充分だ。ああ、それと『殿下』と呼ぶのはやめてほしい。先程も言った通り、皇子としては認められていないようなものだから。それに、おれ自身も皇子とは思っていない。そうだな。ウオーレンと呼んでくれればいい」
「はいいいいい?」

 なに? どういうこと?

 癒される? 笑える? 

 それって、いい意味よね? 肯定されているってことよね?

 だったら納得よ。

 ウオーレンと呼べというのも、命じられれば仕方がないわよね。

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