朝なけに
近付く
「ホテル王つっても、アイツのはラブホテル王だ」


翌日、私は照さんから教えて貰った千里さんが経営するキャバクラ店へと夕方にやって来た。
それは、昨日居たバーからわりと近い。
S町の歓楽街にある。


営業前の今、このキャバクラのオーナー室で千里さんと対面している。
照さんはホテル王で凄い!という私の言葉を、千里さんに笑い飛ばされた所。


「ラブホテル…。
照さんお家が裕福だとおっしゃってましたけど、親もラブホテルを経営していて、それを引き継いだとかでしょうか?」


「いや、照の父親はカラオケを数店舗経営してんな。
まあ、照は嘘はついてねぇだろ?」


「そうですね」


私が勝手に勘違いしただけで。
それに、ラブホテルでも何軒も経営してるとか凄いのは凄いし。
実家が裕福なのも本当みたいだし。


「ちなみに、中さんは何をされてる方なのですか?」


「…言わねぇ。中にお前に何も言うなって言われててな」


あの後、あのお店で照さんと話していると、照さんのスマホが鳴り、それはこの千里さんからの電話だったみたいで、
他の店で中さんと合流してるから、お前も早く来いみたいな内容だったそうな。


だから、行くねと照さんは出て行った。


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