期限付きの政略結婚 〜過保護な副社長とかりそめ妻のすれ違い恋愛事情〜
斗真さんというのは私の初恋の人で、今なお想い続けている相手だ。

突然知らされた六年ぶりの再会。

私は居ても立っても居られなり、今朝一番に百貨店の化粧品コーナーに駆け込んで、勧められるがままアイテムを一式購入してきたのだ。

本当はヘアサロンにも行きたかったけど、いかんせん時間がなかった。

アメリカに渡っていた彼が二週間前に帰国したのは知っていたけど、パーティーでもない限り会える機会がないと思っていたから、完全に油断していたのだ。

手鏡をまじまじと覗き込む。

メイク道具を使いこなせている気は全くしないけど、素顔より少しは大人っぽく見えるかな。

自分を納得させようと、うんうんと頷く。

久しぶりに会うんだもん。少しでも綺麗になって彼を驚かせたい。


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