心に♪留まる
19頁 想い

【選択肢···護りたい人?護れない人?


一颯は、流と小豆を自分の車に
乗せて自宅に戻った。

母、涼子は、
少し驚いた顔をしたが
流を抱きしめて
「痛みは?」
と、訊ねると
流は、
「大丈夫。
心配かけてごめんなさい。
それから、いつも側にいてくれて
ありがとうございます。」
と、言った。
「うふふっ。大丈夫。
私が勝手にやりたくて
やっているだけだから。

まあ、そこのヘタレには
負けないわよ。」
と、言うから

流は、笑いだしてしまったが
一颯は、頭をかきながら
口を尖らして
「だって
と、言っていた。

それから、三人で食事をして
流は、疲れたのか
小豆と寝てしまった。

安心した顔で眠る
流を一颯は、
見ながら母、涼子に話しをした。

「こんなに大切で守りたいと
思う人に出会った事がなくて
どうして良いかわからなかった。
それに、俺のせいで
流が傷ついたり
悲しんだりするなら
そばにいない方が良いと
流は、糸風グループの中に
いれば、なんの心配もないと。
でも、やっぱり流と居たい。
流のそばにいたい。
こんな俺では流のお兄さんには
許して貰えないかも
しれないけど。
俺、頑張ってみるから。」
と、言うと
「良いんじゃない。
流ちゃんは、とても良い娘よ。
母さんは、好きだな。
ただ、愛された事がない?
お兄さんやあの秘書の人や
今日の運転手さん。
皆んな流ちゃんを大事に
思っている。
それは、流ちゃんもわかっているはず。
あなたは、あなたのやり方で
流ちゃんを守り
流ちゃんと生きて行けば良い。」
と、言いながら
「ああっと。流ちゃんが
あなたで良いならね?
それが先だわね。」
と、笑う母に
「そう。俺まだ、告白してない。」
と、頭を抱えてしまう。
< 21 / 33 >

この作品をシェア

pagetop